負け組決定!!ウケるネタが書けずに、コンビ解散。

秋。

 

NSCの中でも優等生組と凡人組がはっきりしてきた。

 

優秀な生徒がAクラス。

 

その次がBクラス、

 

そして出来損ないの集まりがCクラス。

 

先生の評価(主にネタ見せ)の良い順にクラス分けが行われる。

 

僕たちはずっとCクラスにいた。

 

Cクラスの生徒は先生に、

 

「がんばってAクラスを目指しましょうね」

 

とよく言われた。

 

ただ入学当初からAクラスのメンバーはほとんど変わっていない。

 

それは入学した時から、すでに完成度が高かったからだ。

 

僕たちCクラスの生徒とは、天と地の差があった。

 

その中でも僕たちは浮いていた。

 

ネタが出来ていないと授業を休むようになったり、

 

ネタ見せでは内容のひどいネタをして、

 

先生から「キ〇ガイネタだ。やめろ。」と言われたり、

 

次第に学校に馴染めないようになっていた。

 

ネタ作りも思うように作れなくなっていて、

 

僕は「このコンビでやっていくのは厳しいんじゃないか。」

 

と思うようになった。

 

そのことで何回も相方に話をした。

 

「君はツッコミがしたいって言うけど、全然できてない。」

「ボケをしたいのかどっちか分からない。」

「ネタだって作りにくいよ!」

 

と悩みをぶつけた。

 

相方は、

 

「笑わせるツッコミがしたい。」

「今はまだ出来ていないけど、いつか定着させたい。」

「焦らずにじっくりやればいい。」

 

と言っていた。

 

僕は日々コンビの関係性で悩むようになっていた。

 

そして12月になったころ、、

 

僕は相方にコンビの解散を伝えた。

 

「コンビを解散して、お互い自由にやった方が上手くいくと思う。」

「今後芸人としてやっていくためにも、解散したい。。」

 

相方はかなり反対していた。

 

「まだ色々やってないことがあるやん!」」

「これから出来るようになっていくって!」

 

しかし僕は、断り続けた。

 

すると相方は、

 

「わかったわ。」

「だけど最後に一回、満足行くネタをしてから解散しよう。」

「じゃないと終われない。」

 

落ち込んだ声で、そう言った。

 

僕は了承して、

 

「分かった。最後に1本良いネタをやろう。」

 

と伝えた。

 

そして僕たちは解散をするための最後のネタ作りに取り掛かった。。

 

 

 

~反省~

 

当時の僕はネタに行き詰ったり、なかなか上手くいかないことを

全部相方のせいにしていました。

ただ自分が面白いネタを作れないだけなのに、

それが一番の原因なのに、

認めたくなくて、

相方のせいにしていました。

本当に、情けないです。

 

今は、出来ないことをしっかり認めて

何とか改善できるように考えるようにする。

弱い自分から逃げないことが大事だと思っています。

 

最後に、

当時の相方へ。。

「迷惑ばかりかけて本当にごめんなさい!」

 

 

 

 

初めてのファン!?深夜の公園でヤンキーにネタ見せ。

大阪に来て初めての夏。

 

僕たちは毎日漫才漬けの日々だった。

 

夜の公園でネタ練習していたある日のこと。

 

その公園はかなり大きい公園で夜でも利用する人たちが居た。

 

散歩をする人、

 

ギターで弾き語りをする人、

 

スケボーの練習をする人など。。

 

僕たちは、その中で漫才をまあまあ大きい声で練習していた。

 

すこしでも前を通った人たちがネタを見てくれるように、

 

アピールしていた。

 

なかなか立ち止まって見てくれる人はいなかったけど、

 

練習も兼ねて本番を意識してやっていた。

 

2時間くらい練習したところで、

 

「あと3回やって終わろうか!」

 

と相方に伝えて、仕上げに取り掛かろうとした。

 

相方と「結構つかれたねー」なんて話していると、

 

4、5人の男女の若いグループが近くに寄ってきた。

 

「お兄さんたち漫才やってるの?」

 

「遠くから見てたんだ!」

 

「スゲーな!」

 

と、話しかけられた。

 

見た感じはやんちゃな感じで、高校生くらいの子たちだった。

 

でも、初めて立ち止まって僕たちに興味をもってくれたことが

嬉しかった。

 

しかも話していると、みんなとてもいい子だった。

 

すると1人の女の子が、

 

「漫才見たいな!」

 

「漫才やってよ!」

 

と言った。

 

周りの子たちもそれに合わせて、

 

「やって!やって!見たいなー」

 

とはしゃぎだした。

 

僕たちは2人で相談した。

 

「ちゃんと見てくれるか分からんぞ(笑)」

 

「まあ、せっかくやしやってみるか!」

 

ということで、ネタを披露することにした。

 

思えば、授業以外で人前でやるのは初めてだった。

 

「はい、どーも!」

 

とネタを始める。

 

序盤のボケでみんなめっちゃ笑っていた。

 

中盤のボケでもめっちゃ笑っていた。

 

最後のオチでもめっちゃ笑ってくれていた。

 

終始爆笑でネタを終えた。

 

なんだったらネタフリの部分でも笑っていたので、

 

ボケが伝わっていたのか分からないけど、

 

すごく笑ってくれた。

 

そして僕たちもネタを終えて、爆笑した。

 

「笑いすぎやろ!(笑)」

 

「ネタフリのところも、全部笑ってたやん!(笑)」

 

思わずツッコんだ。

 

すると、

 

「だって雰囲気がおもしろかったんだもん!(笑)」

 

「お兄さんのしゃべり方マジでウケるよ(笑)」

 

やっぱりネタの内容は伝わっていなかった。。

 

だけど、純粋でとても良い子たちだった。

 

興味をもって話しかけてくれて、

 

漫才でたくさん笑ってくれて、

 

僕たちの初めてのお客さんだった。

 

そして色々雑談をしゃべり終えたころ、

 

最初に「漫才見たい!」と言った女の子が、

 

僕に「サインちょーだい!」

 

と言った。

 

「サインなんか無いよ!」

「大体色紙とかペンもないしー」

 

すると、女の子がカバンからボールペンとコンビニのレシートを

取り出し僕に渡した。

 

「レシートの裏に書いて!」

 

サインを求められた事がうれしくて、レシートの裏にコンビ名と名前を書いた。

 

「ありがとう!応援してるね!」

 

と言って、みんなは帰っていった。

 

その後、あの女の子とグループの子たちと会うことはなかったけど、

 

確かにあの日、

 

初めてファンができた。。

 

たった一日だけのファンは、僕にとって忘れられない思い出になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迫りくるネタ見せ!!恐怖でネタが全部飛ぶ。笑

1本目のネタ見せが終わって、2本目、3本目と取り掛かる。

 

ネタ見せの授業は毎週行われるため、

 

すぐにネタを作らなきゃ間に合わないからだ。

 

ネタを作っては、練習し、ネタ見せをし、ダメ出しをもらい、

 

またネタを作る。

 

この繰り返し。

 

サイクルが早いため全然追いつかない。

 

同じネタをしたり、少し改善したりして、

 

工夫をするがネタのストックが足りなくなっていく。

 

なんとか新ネタがある程度できたので、相方に見せる。

 

すると、

 

「明日のネタ見せでこのネタやろーぜ」

 

と言われた。

 

僕はまだネタが未完成だったし、練習も全然していないから

 

「無理だよ。」

 

と断ったが、相方はそれでも

 

「やってみよーぜ!」

 

と言っていた。

 

すごく心配だったが、新ネタができるまで待っていてくれた相方への

申し訳ない気持ちもあったので、

 

「じゃあ、やってみよっか。」

 

と答えた。

 

僕たちはカラオケに行って、徹夜でネタを覚えて練習した。

 

何とか台本を見ずに行けるとこまで出来るようになった。

 

「これならいけるっしょ!」

 

と相方が手ごたえを感じていたみたいだったが、僕は心配だった。

 

不安になりながらも、二人で学校に向かった。

 

道中も小声でネタの練習をしていた。

 

それでも不安は残ったままだった。

 

そしてネタ見せの授業が始まった。。

 

ネタ順は最初の方がよかったが、すでに埋まってしまっていたので

後の方になってしまった。

 

1組目、2組目・・・

 

40分くらい座ったまま他のコンビのネタを見ていた。

 

出番が近づくにつれて、どんどん緊張していった。

 

そして僕たちの出番。

 

緊張がピークになりながらも、いつも通り

 

「はいどーも」

 

と元気にネタを始めた。

 

頭の中では、勢いでやれば何とかなるだろう。。

 

と思っていた。

 

序盤は練習通り問題なくスムーズに行った。

 

「なんとかなるかも。。」

 

そう思っていた。

 

しかし、中盤にかかるネタフリのところで僕がセリフを間違えてしまう。

 

その瞬間、頭が真っ白になった。

 

何もセリフが思い出せなくなってしまっていた。

 

言葉につまり、

 

「えーっと、、」

 

「あのー、、」

 

と繰り返すだけ。

 

相方が何とかフォローして場をつなごうとしていたが、

 

僕はパニックで、ただ立ち尽くしていた。

 

すると先生から、

 

「大丈夫?順番を最後にしてあげるよ。」

 

と言われた。

 

僕たちはネタを途中でやめて、席に戻った。

 

相方に「大丈夫か?」

 

と聞かれ、

 

「うん。大丈夫」

 

と答えたが、実際は相当パニックになっていた。

 

あと数組のコンビがネタ見せをしているなか、

 

僕たちは小声でネタ合わせをしていた。

 

相方に「行けるか?」

 

と言われ、

 

「何とか行けると思う。」

 

と答えた。

 

そして最後の出番になり、もう一度僕たちが

センターマイクにたった。

 

先生に「落ち着いたー?」

 

と聞かれ

 

「はい。お願いします。」

 

と伝えた。

 

そしてもう一度ネタを再開させる。

 

「はいどーもー」

 

セリフを思い出すのに必死で元気がなくなっていた。

 

ネタが進むにつれて不安に押しつぶされそうになっていった。

 

そして、1回目でつまづいたセリフまで来た。

 

僕はさっきの失敗がフラッシュバックして、また頭が真っ白になった。

 

セリフが全く出てこない。

 

何もできなかった。

 

先生から「また練習してきてから見せてな」

 

と言われ、授業がおわった。

 

帰り道、僕は相方に

 

「ごめん。。」

 

と謝った。

 

でもすぐに、できなかった言い訳をしてしまった。

 

「やっぱりネタが未完成だったから。」

 

「もっと練習しないといけなかったんだ。」

 

「寝てなかったし。。」

 

自分がパニックになって何もできなかったことを認めたくなくて、

 

相方のせいにしようとしてしまった。

 

「次がんばったらええやん。」

 

と相方は優しく言ってくれたが、当時の自分は本当に情けない男だった。

 

こうして見事にネタ見せで大恥をかいたのであった。。(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

初ネタ見せ!!漫才師としての第一歩。

コンビ結成後、

 

僕は1本目のネタを作るために全力で挑んだ。

 

家に閉じこもって、

 

何度もネタを練っていた。

 

授業もネタができるまでは休んだりしていた。

 

相方には授業も出なあかん。と言われていたが、

 

「ごめん。どーしても早く完成させたくて」

 

と断っていた。

 

2週間くらいかかって、ようやく納得できるネタが完成した。

 

そして、相方にネタの台本を見せた。

 

自分の書いたネタを人に見てもらうことは、

 

とても緊張した。

 

台本を見てもらっている間の時間はすごく長く感じた。

 

読み終えた相方が、

 

「良いやん。」

 

「おもろいやん。」

 

と言ってくれた。

 

めっちゃうれしかった。

 

テンションがあがりながらも、早速ネタの読み合わせをした。

 

すごくかみ合わなかった。

 

だけど2人とも、

 

「これ練習したら結構いい感じになるやん」

 

と前向きだった。

 

それからネタ見せの授業に合わせて練習の日々が始まる。

 

主に近所の公園で、何度も何度も練習した。

 

ネタをなかなか覚えてこなかった相方に、

 

きつく怒ったこともあった。

 

それだけ初めてのネタ見せには気合が入っていた。

 

そして、当日。

 

朝も公園でしっかり練習してから、2人で学校に行った。

 

教室にはすでに生徒がいて、ホワイトボードが用意されている。

 

ネタ見せの時間が近づくとそのホワイトボードに各々コンビ名を書いていく。

 

ネタを披露する順番を書いていく、ネタ順だ。

 

僕たちはなるべく最初の方にやりたかったから、5番目くらいを選んだ。

 

全員で18組ほどエントリーしていた。

 

時間になると構成作家の先生が来て、席に座った。

 

「じゃ、お願いします。」

 

と1言つぶやくと1組目がネタをし始める。

 

2分間という短い時間の中で、考えてきたネタを披露する。

 

「どーも、ありがとうございました。」

 

と漫才を終えると、先生から指摘を受ける。

 

「あそこはどういう意味だったの?」

 

「声が小さすぎる。」

 

「ネタフリがいちいち長すぎる。」

 

その場でしっかりアドバイスをもらって、終了となる。

 

続いて2組目、3組目とネタ見せをしていく。

 

自分たちの順番が近づくにつれて、緊張感も高まってきた。

 

でも僕は、緊張より気合が勝っていた。

 

心の中で、

 

「やってやる」

 

と何度も繰り返していた。

 

いよいよ僕たちの番。

 

立ち上がりセンターマイクの位置まで移動する。

 

その時、相方を見たら顔がこわばっていたので

 

「たのしもう!」

 

と耳元でささやいた。

 

「うん」

 

と相方が返してくれた。

 

僕は一呼吸おいて、

 

「はいどーも」

 

と元気よくネタを始めた。

 

練習通り、しっかり声を出して、ボケの強弱もつける。

 

セリフも間違えないように気をつけた。

 

序盤のボケでクスクス笑い声が聞こえた。

 

「これは行ける。」

 

と思いながら、丁寧にネタを進めた。

 

中盤から終盤にかけての畳みかけの部分でも、笑い声が聞こえた。

 

僕たちは必死になってネタをやり続けた。

 

やっていく中で、

 

「うわっ、スゲー楽しいな!」

 

「まだネタを続けたいな。」

 

と思うようになっていた。

 

初めての感覚だった。

 

自分の作ったネタで、人が笑っている。

 

しかも相方と2人で笑わせている。

 

そう思うと楽しくて仕方なかった。

 

「どーも、ありがとうございましたー」

 

僕たちは2分間のネタをやりきった。

 

先生からのアドバイスをもらい、席に戻る。

 

席に戻ったとき、相方の方を見てグータッチをした。

 

相方も嬉しそうな表情だった。

 

そして授業が終わると、同期から

 

「すごかったよ!」

 

「ちゃんと漫才できてたし、笑いも来てたよ。」

 

と言われた。

 

めちゃくちゃうれしかった。

 

帰り道、相方に

 

「今日どーやった?」

 

と聞くと、

 

めっちゃ楽しかった!」

 

「最初は緊張してたけど、徐々に楽しくなってた。」

 

「もっとネタを続けたかったなあ」

 

と嬉しそうに話していた。

 

僕と同じ気持ちだった。

 

今まで生きてきた中で喜びを人と共有できるのが、

 

こんなにうれしいことだなんて思いもしなかった。

 

いつもの帰り道が、この日は最高の帰り道になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンビ結成!!唯一できた友達が相方に。

入学してから1ヶ月が経った。

 

最初の1ヶ月はオリエンテーションなどで、学校に慣れるための授業が多かった。

 

5月に入ると段々周りもコンビを組みはじめ、ネタ見せの授業で自分たちのネタを披露していた。

(ネタ見せの授業とは、構成作家の先生とクラスのみんなの前でネタを見せて指摘・ダメ出しをもらうという内容。)

 

僕はいまだにコンビは組めておらず、相方がいなかった。

 

ネタ見せの授業も参加するけど、ただ他のコンビのネタを見ているだけ。。

 

しかし、そんな僕にも1人友達ができた。

 

兵庫県出身で年齢は僕より5つ上の男。

 

帰り道が一緒だったこともあり、次第に色々話すようになっていった。

 

好きな芸人についてや、

 

今住んでいる家のこと、

 

バイトのこと、

 

学校のグチなど。。

 

初めての友達が出来て嬉しくて、家に遊びに行ったりしてすごく楽しかった。

 

でもこの友達は僕の相方にはならないだろう、、と思っていた。

 

その友達は天然ボケが多く、ボケタイプだったのだ。

 

僕はツッコミができる相方を探していたので、

 

コンビを組むのは無理だろう。。

 

そう感じていたのだ。

 

しかしその友達は

 

「ツッコミがやりたい!」

 

「コンビを組もう!」

 

と言っていた。

 

僕はどうしても違和感を感じていて、コンビを組むということを考えられないでいた。

 

だから、コンビの誘いは断っていた。

(すごく偉そうで、今書いていても当時の自分に腹が立つ。)

 

その友達は引き下がることなく、

 

「やってみないと分からんやん。」

 

「一回やってみよーぜ。」

 

と言ってくれていた。

 

僕はそれでも頑なに断っていた。

(本当に当時の自分が情けない。)

 

そんなことをしていたので、なかなか相方は見つからないでいた。

 

5月の終わりごろに、学校であるイベントが開かれた。

 

それは「相方探しの会」という、

 

コンビを組みたいけどまだ相方が見つかっていない人たちのために

開かれる会。

 

僕と友達は、その会に参加することにした。

 

「お互い良い相方が見つかると良いね。」

 

なんて話して当日は、一緒に学校へ行った。

 

僕たちが教室に入ると、すでに結構な人数がいた。

 

そして先輩が司会進行をしてくれて、

 

「相方探しの会」が始まった。

 

みんなの前でアピールしたり、

 

どんどん自分から話しかけたり、

 

積極的に相方をみつけに行くという感じだった。

 

僕たちは、各々周りの人たちに話しかけて相方を見つけようと

がんばっていた。

 

しかし、どうも合う人がいなくて結局僕とその友達は、

 

また隣同士に座っていた。

 

僕はその時にふとその友達が前に言った言葉を思い出した。

 

「やってみないと分からんやん。」

 

「1回やってみよーぜ。」

 

その言葉が、心に響いた。

 

僕は相方のせいにして、コンビを組むのを断っていたけど

 

実際は違った。。

 

ただ自分に自信がなくて、

 

戦える武器がなくて、

 

それでコンビを組む勇気がなかっただけ。

 

僕は勇気を出して、

 

「コンビ組もう。」

 

とその友達に言った。

 

かなり声が震えていた。

 

その友達は、

 

「うん!やってみよーぜ」

 

と受けてくれた。

 

僕たちは早々に教室を出て、二人で難波の街を歩いた。

 

不思議と気持ちがワクワクしていた。

 

これからいよいよ漫才ができる。。

 

やっと戦えるんだ。。

 

そう思うと嬉しくなっていた。

 

その友達、、いや相方も嬉しそうだった。

 

僕たちはこうしてコンビを結成した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

才能ゼロ!!お笑い界への挑戦。(NSC編)

19才になった春・3月。

 

僕は一人で大阪に住み始めました。

 

夢だったお笑い芸人になるために。

 

自分は無力じゃない。

 

人を笑わせれるんだ。

 

ということを証明するために。。

 

アパートは6畳1R、家賃2万5千円。

 

この激安物件で僕は、漫才の勉強をしまくりました。

 

DVDやVHS。

 

とにかく色んな人の漫才を見て、分析して、

 

自分がどんな漫才をするのか研究していました。

 

NSCの入学が4月。

 

それまでにある程度の武器を身に着けておこうと必死でした。

 

しかし、間に合いませんでした。

 

 

そして入学式当日。

 

大阪NSC34期生は約500名。

 

その500名が難波グランド花月に集められました。

 

初めて入る劇場に僕はワクワクしていました。

 

同時に人の多さにびっくりして、

 

すごく緊張しました。

 

式が始まるまで席で待機していると、

 

僕の後ろに座っていた二人が、

 

会話の中で漫才のやりとりを始めました。

 

ボケてツッコんでみたいな会話が聞こえてくると、

 

急に気持ちが焦り出しました。

 

「もう漫才に慣れているのか。」

 

「周りの人たちはどんなすごい人たちなんだろう。」

 

「自分はこれからやっていけるのだろうか。」

 

そんな不安な気持ちになりながら、入学式を迎えました。

 

吉本興業の会社の人たちや、

 

実際のプロの芸人さん、

 

あとは警察の方などが色々話していました。

 

内容は主にコンプライアンスや、マナー、年間の予定の確認などでした。

 

僕は心のどこかで、ひょっとして何か面白いことを披露しなくちゃ

いけないコーナーみたいなのがあるのかとドキドキしていました。

 

 

そう。

 

 

何もできないから。

 

 

 

しかし話を聞くだけで、ホッとしました。

 

そうして入学式が無事に終わり、

 

いよいよNSC34期生としての芸人人生がスタートしたのです。

 

教室に入り、また先生や先輩の話を聞く。

 

やっぱり急にはネタを披露することは無くて、

 

あいさつや礼儀のこと、

 

時間厳守のこと、

 

これからのスケジュールのこと、、などの説明だけでした。

 

しかし先生よりも、先輩の方がとても口調がきつく

かなりピリピリしていました。

 

今もテレビでたまにその先輩を見ることがありますが、

 

未だにすっごく苦手です。

 

一通り説明も終わり、一日が終わりました。

 

学校がおわると、みんな親交を深めるために飲みに行ったりしていました。

 

僕は真っすぐ家に帰りました。

 

「友達を作りにきたんじゃない。」

 

「勝負しにきたんだ。」

 

「早く漫才ができるよう勉強しよう。」

 

そのことで頭がいっぱいでした。

 

しかし、周りとの交流を深めようとしなかった僕はいきなり

壁にぶつかります。

 

それは、、

 

「相方」

 

です。。

 

全然周りと交流を深めない、

 

自分のことで精一杯だった僕がどうやって「相方」を

見つけることができたのか。。

 

それを次回に書きたいと思います。

 

P.S

 

当時の自分へ。

 

自分が才能ゼロだから、何もできないから、なめられたくないから、、

 

って思って一人で尖るのもいいけど、

 

周りの人から学ぶことがあるんだよ。

 

もっと人に興味を持たんかい!!

 

この「才能ゼロ芸人がーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セクハラされ放題!!ユニバーサルスタジオジャパン日帰り旅行。(バイト地獄編)

いつも通り弁当屋のバイトをしていたある日。

 

店長から何気なく、

 

ユニバーサルスタジオジャパンって行ったことある?」

 

と聞かれました。

 

僕は、

 

「行ったことないですよ。」

 

と言うと、、

 

店長から

 

「行ってみたい?」

 

と言われました。

 

僕は、

 

「1回くらいは行ってみたいですね~」

 

とさらっと答えました。

 

店長は

 

「ふーん、そうなんだー」

 

と言って仕事に戻りました。

 

普通の世間話の感じで話しが終わったのですが、

 

それは僕の間違いだったのです。。

 

次の1週間後のバイトの日。

 

いつも通り作業をしていると、

 

店長から、

 

「ユニバのチケット取ったからね!」

 

「来週の日曜日空けといてね。」

 

と急に言われました。

 

僕はよく分からなくて、

 

「それは僕が行くんですか?」

 

と聞くと

 

「そーだよ。君とオレと二人でいくんだよ。」

 

と言われました。

 

僕はゾッとして、

 

なんで二人だけでユニバに行かなくちゃいけないんだ。と思い、

 

「イヤですよ。急に言われても困りますよ。」

 

と言いました。

 

すると店長が、、

 

「ふざけんなよ!」

 

「お前がユニバ行きたいって言ったんだろうが!」

 

「お前のためにチケットも買ったんだぞ!」

 

とブチギレました。

 

僕はなぜキレられているのか全然意味が分かりませんでした。

 

「店長と行くなんて話し一回もしてないじゃないですか!」

 

と強めに言うと、

 

「いい加減なこと言うなよ!」

 

と言って、僕のお尻を思いっきり蹴ってきました。

 

僕はあまりに理不尽すぎて、

 

少し泣きかけました。

 

「来週行くから、絶対空けとけよ!!」

 

と言われました。

 

人生でこんな理不尽なことを受けたことがなくて、

 

どうしたら良いのか分からなくなりました。

 

そして僕は断り切れずに、

 

「お願いします。」

 

と言ってしまいました。

 

当日。

 

朝5時半にバイト先に集合して、店長の車で大阪に向かいました。

 

なぜ朝がこんなに早いのかと言うと、

 

「ユニバが開くオープンと同時に入らなきゃもったいない。」

 

とのことでした。

 

もうどーでもよくなっていて全部店長の言うとおりにしました。

 

反論したら何をされるか分からない恐怖があったのです。

 

道中のコンビニで昼飯を買いました。

 

ユニバの中のお店で食べればいいじゃんと思いましたが、

 

「ユニバの中の食べ物は高いでもったいない。」

 

とのことでした。

 

車の中では、助手席に乗っていましたが、

 

地獄でした。

 

右手で運転して、空いている左手で、

 

僕の体を何度も触ってきたのです。

 

そのたびに手を避けたり、

 

必死に抵抗していましたが、

 

しつこく何度も何度も触ってきました。

 

本当に地獄です。

 

大阪に着き、

 

西九条駅というところに車を停めて、

 

電車でユニバに向かうことになりました。

 

僕は電車なら周りに人もいるし、安心だな。とホッとしました。

 

しかし想像のはるか上を行く地獄だったのです。

 

電車が動き出した途端、

 

店長が壁側に僕を押し付けてきました。

 

ものすごい力で全然動けませんでした。

 

その状態で僕のズボンに手を入れてきて、

 

直にお尻を触ってきました。

 

「やめろー」と叫びたかったですが、

 

そんなことをされているということが、ほかの人にバレると思うと恥ずかしくて何も言えませんでした。

 

駅に着く数十分間、

 

ずっとお尻を触られていました。

 

屈辱でしたし、

 

気持ち悪すぎました。

 

ユニバにつくと、

 

「アトラクションを全部制覇する」

 

と言って、オーブンと同時に走り出しました。

 

僕も付いて行きました。

 

そんな調子で休憩も取らずに、1日周り続けました。

 

全部アトラクションに乗り、

 

夕方になったので帰ることになりました。

 

本当にくたくたで、めちゃくちゃ疲れました。

 

帰りの道中ではさすがに店長も疲れたのか、何もしてきませんでした。

 

そうしてバイト先に戻ってきて、家に帰ることができたのです。

 

家に着いたのは、深夜2時でした。

 

僕はこのバイトを辞めることにしました。。