迫りくるネタ見せ!!恐怖でネタが全部飛ぶ。笑

1本目のネタ見せが終わって、2本目、3本目と取り掛かる。

 

ネタ見せの授業は毎週行われるため、

 

すぐにネタを作らなきゃ間に合わないからだ。

 

ネタを作っては、練習し、ネタ見せをし、ダメ出しをもらい、

 

またネタを作る。

 

この繰り返し。

 

サイクルが早いため全然追いつかない。

 

同じネタをしたり、少し改善したりして、

 

工夫をするがネタのストックが足りなくなっていく。

 

なんとか新ネタがある程度できたので、相方に見せる。

 

すると、

 

「明日のネタ見せでこのネタやろーぜ」

 

と言われた。

 

僕はまだネタが未完成だったし、練習も全然していないから

 

「無理だよ。」

 

と断ったが、相方はそれでも

 

「やってみよーぜ!」

 

と言っていた。

 

すごく心配だったが、新ネタができるまで待っていてくれた相方への

申し訳ない気持ちもあったので、

 

「じゃあ、やってみよっか。」

 

と答えた。

 

僕たちはカラオケに行って、徹夜でネタを覚えて練習した。

 

何とか台本を見ずに行けるとこまで出来るようになった。

 

「これならいけるっしょ!」

 

と相方が手ごたえを感じていたみたいだったが、僕は心配だった。

 

不安になりながらも、二人で学校に向かった。

 

道中も小声でネタの練習をしていた。

 

それでも不安は残ったままだった。

 

そしてネタ見せの授業が始まった。。

 

ネタ順は最初の方がよかったが、すでに埋まってしまっていたので

後の方になってしまった。

 

1組目、2組目・・・

 

40分くらい座ったまま他のコンビのネタを見ていた。

 

出番が近づくにつれて、どんどん緊張していった。

 

そして僕たちの出番。

 

緊張がピークになりながらも、いつも通り

 

「はいどーも」

 

と元気にネタを始めた。

 

頭の中では、勢いでやれば何とかなるだろう。。

 

と思っていた。

 

序盤は練習通り問題なくスムーズに行った。

 

「なんとかなるかも。。」

 

そう思っていた。

 

しかし、中盤にかかるネタフリのところで僕がセリフを間違えてしまう。

 

その瞬間、頭が真っ白になった。

 

何もセリフが思い出せなくなってしまっていた。

 

言葉につまり、

 

「えーっと、、」

 

「あのー、、」

 

と繰り返すだけ。

 

相方が何とかフォローして場をつなごうとしていたが、

 

僕はパニックで、ただ立ち尽くしていた。

 

すると先生から、

 

「大丈夫?順番を最後にしてあげるよ。」

 

と言われた。

 

僕たちはネタを途中でやめて、席に戻った。

 

相方に「大丈夫か?」

 

と聞かれ、

 

「うん。大丈夫」

 

と答えたが、実際は相当パニックになっていた。

 

あと数組のコンビがネタ見せをしているなか、

 

僕たちは小声でネタ合わせをしていた。

 

相方に「行けるか?」

 

と言われ、

 

「何とか行けると思う。」

 

と答えた。

 

そして最後の出番になり、もう一度僕たちが

センターマイクにたった。

 

先生に「落ち着いたー?」

 

と聞かれ

 

「はい。お願いします。」

 

と伝えた。

 

そしてもう一度ネタを再開させる。

 

「はいどーもー」

 

セリフを思い出すのに必死で元気がなくなっていた。

 

ネタが進むにつれて不安に押しつぶされそうになっていった。

 

そして、1回目でつまづいたセリフまで来た。

 

僕はさっきの失敗がフラッシュバックして、また頭が真っ白になった。

 

セリフが全く出てこない。

 

何もできなかった。

 

先生から「また練習してきてから見せてな」

 

と言われ、授業がおわった。

 

帰り道、僕は相方に

 

「ごめん。。」

 

と謝った。

 

でもすぐに、できなかった言い訳をしてしまった。

 

「やっぱりネタが未完成だったから。」

 

「もっと練習しないといけなかったんだ。」

 

「寝てなかったし。。」

 

自分がパニックになって何もできなかったことを認めたくなくて、

 

相方のせいにしようとしてしまった。

 

「次がんばったらええやん。」

 

と相方は優しく言ってくれたが、当時の自分は本当に情けない男だった。

 

こうして見事にネタ見せで大恥をかいたのであった。。(笑)