コンビ結成!!唯一できた友達が相方に。

入学してから1ヶ月が経った。

 

最初の1ヶ月はオリエンテーションなどで、学校に慣れるための授業が多かった。

 

5月に入ると段々周りもコンビを組みはじめ、ネタ見せの授業で自分たちのネタを披露していた。

(ネタ見せの授業とは、構成作家の先生とクラスのみんなの前でネタを見せて指摘・ダメ出しをもらうという内容。)

 

僕はいまだにコンビは組めておらず、相方がいなかった。

 

ネタ見せの授業も参加するけど、ただ他のコンビのネタを見ているだけ。。

 

しかし、そんな僕にも1人友達ができた。

 

兵庫県出身で年齢は僕より5つ上の男。

 

帰り道が一緒だったこともあり、次第に色々話すようになっていった。

 

好きな芸人についてや、

 

今住んでいる家のこと、

 

バイトのこと、

 

学校のグチなど。。

 

初めての友達が出来て嬉しくて、家に遊びに行ったりしてすごく楽しかった。

 

でもこの友達は僕の相方にはならないだろう、、と思っていた。

 

その友達は天然ボケが多く、ボケタイプだったのだ。

 

僕はツッコミができる相方を探していたので、

 

コンビを組むのは無理だろう。。

 

そう感じていたのだ。

 

しかしその友達は

 

「ツッコミがやりたい!」

 

「コンビを組もう!」

 

と言っていた。

 

僕はどうしても違和感を感じていて、コンビを組むということを考えられないでいた。

 

だから、コンビの誘いは断っていた。

(すごく偉そうで、今書いていても当時の自分に腹が立つ。)

 

その友達は引き下がることなく、

 

「やってみないと分からんやん。」

 

「一回やってみよーぜ。」

 

と言ってくれていた。

 

僕はそれでも頑なに断っていた。

(本当に当時の自分が情けない。)

 

そんなことをしていたので、なかなか相方は見つからないでいた。

 

5月の終わりごろに、学校であるイベントが開かれた。

 

それは「相方探しの会」という、

 

コンビを組みたいけどまだ相方が見つかっていない人たちのために

開かれる会。

 

僕と友達は、その会に参加することにした。

 

「お互い良い相方が見つかると良いね。」

 

なんて話して当日は、一緒に学校へ行った。

 

僕たちが教室に入ると、すでに結構な人数がいた。

 

そして先輩が司会進行をしてくれて、

 

「相方探しの会」が始まった。

 

みんなの前でアピールしたり、

 

どんどん自分から話しかけたり、

 

積極的に相方をみつけに行くという感じだった。

 

僕たちは、各々周りの人たちに話しかけて相方を見つけようと

がんばっていた。

 

しかし、どうも合う人がいなくて結局僕とその友達は、

 

また隣同士に座っていた。

 

僕はその時にふとその友達が前に言った言葉を思い出した。

 

「やってみないと分からんやん。」

 

「1回やってみよーぜ。」

 

その言葉が、心に響いた。

 

僕は相方のせいにして、コンビを組むのを断っていたけど

 

実際は違った。。

 

ただ自分に自信がなくて、

 

戦える武器がなくて、

 

それでコンビを組む勇気がなかっただけ。

 

僕は勇気を出して、

 

「コンビ組もう。」

 

とその友達に言った。

 

かなり声が震えていた。

 

その友達は、

 

「うん!やってみよーぜ」

 

と受けてくれた。

 

僕たちは早々に教室を出て、二人で難波の街を歩いた。

 

不思議と気持ちがワクワクしていた。

 

これからいよいよ漫才ができる。。

 

やっと戦えるんだ。。

 

そう思うと嬉しくなっていた。

 

その友達、、いや相方も嬉しそうだった。

 

僕たちはこうしてコンビを結成した。