化け物級のオモロさ!!動物園かここは!?(松竹芸能編)

初めてのネタ見せ。

 

僕たちは一番安定しているネタを見せた。

 

先生からの評価もよかったし、同期の評価もよかった。

 

最初の1カ月くらいは大喜利の授業でも、先生に褒められたりして、

良いスタートがきれていた。

 

5月に入ると、少しずつコンテストが始まった。

 

コンテストが近くなると、先輩たちもネタを見てもらうために

僕たちの授業に混じって、ネタ見せをした。

 

その先輩方は、普段は舞台に立ってお客さんを相手に漫才やコントを

している人たちだった。

 

そんな先輩と混じって、ネタ見せをするのはすごく緊張した。

 

でも自分が漫才を披露するときは、意外にも落ち着いて出来ていたし、

上手くやれていると自信があった。

 

自分が漫才を披露すること自体は良かった。

 

問題は、その先輩たち。

 

僕たちの目の前で色んな先輩がネタを披露していく。

 

そのどれもが爆発的に面白くて、

 

発想力がえげつなかった。

 

みんな化け物かと思った。

 

キャラの濃い人たちばかりで、

 

オモロすぎてちょっと引いてしまった。

 

その時に自分と比べてしまった。

 

僕はなぜ上手く漫才を見せようとしていたのか。

 

今まで勉強して取り組んだ漫才の形を見せたかっただけなのか。

 

自分は面白さでは勝てないから、きれいな形にこだわってしまっていたのか。

 

色々考えた。。

 

目の前でなりふり構わずオモシロイと思うことを形にしている先輩たちを

見て、

 

「ダメだ。おれは。。」

 

と思ってしまった。

 

それからも新ネタを考えたり、コントをしてみたりもしたが、

全然力が入らなかった。

 

自分では良いネタができた!と思っても、面白さの部分で圧倒的に

負けてしまう。

 

やりながら、つらい。と感じてしまっていた。

 

相方にも相談をした。

 

「面白いネタが書けない。」

 

「君がネタを書いてくれないか。」

 

以前の僕なら絶対に言わなかっただろうが、

 

プライドとか全然どうでもよくなるくらい何ともならない状況だった。

 

相方は、

 

「おれはネタが書けない。」

 

「ネタを書けるのは才能だと思うし、頑張ってみてよ。」

 

そう言ってくれた。

 

その時は、

 

「よし。もう一度やってみるか」

 

と思えたけど、なんとか出来た新ネタもイマイチだった。

 

「あー。もうこれはアカンな」

 

「プロの芸人としてやってくのは無理かもしれんな」

 

そんなことを思い始めた。

 

メンタルがとても弱っていた。

 

そして僕が芸人という夢をあきらめることとなる出来事がおきた。

 

それは「ダイナマイト関西」がきっかけだった。。